「祭姪文稿」は唐の書家顔真卿の最も知られた書のひとつです。
11月の競書課題のひとつでもありました。
ただきれいに字を臨書するというのではなく、
荒々しいエネルギーも表現しなければこの臨書は成立しないので、
取り組んだみなさんは少し難しく感じていたようです。
「祭姪文稿」は「争座位文稿」「祭伯文稿」とともに「顔真卿の三稿」といわれた1つです。
歴史の授業で聞いたことある(はずの)安史の乱で戦死した親族を追悼した原稿だそうです。
感情のままに書き連ねた書は書き損じた塗りつぶしの箇所が散見され、感情の起伏を感じさせます。
そこはとくに若くして亡くなった甥が非業の死を遂げてしまった辛さ、無念さ、怒りがにじむ追悼文になっているようです。
昨年2月に東京国立博物館で「顔真卿展」を開催していました。
門外不出の国宝としてほとんどの人がその真筆を見る機会がなかった「祭姪文稿」が台湾故宮博物院から借り受けての展示は相当話題になっていました。
それを見るために2~3時間以上並ぶ様子がニュースでも取り上げられていましたが、書を学ぶ私さえ「祭姪文稿はこんなに人を集めるものなのか」と驚きました。
中国からわざわざツアーが組まれていたり、書をやらない人も相当見に来ていたようでした。
課題として出された機会に私も久しぶりに臨書しましたが、
落ち着いた綺麗な文字を臨書する以上に難しくも感じますが面白さも感じられるのがこの「祭姪文稿」だと思いました。
人を惹きつけるものにはやはり魅力があります^^